Content
もし、これから生まれるのなら
Introduction
本作は、YOASOBI『海のまにまに』ミュージックビデオや、ポケモンWCS2023アニメPV「キミに会えた!」など、さまざまなシーンで活躍するアニメーション監督・土海明日香が、監督・脚本・絵コンテを手がける初の劇場向けオリジナル作品である。
音楽を担当するのは、映画『国宝』を手がけた原摩利彦。主題歌「Lullaby」は、『国宝』の主題歌「Luminance」を手がけた、作詞・坂本美雨、作曲・原摩利彦のタッグによって制作され、坂本美雨が透明感あふれる美しい歌声で歌い上げている。
美しく惹き込まれる壮大な世界観と、キャラクターたちが紡ぐ繊細な物語。今を生きる世界中の人々の心に響く、感動的な作品がここに誕生した。
Story
とある星に降り立った名もなき双子。臆病な妹と、無邪気な兄。
二人は案内人に導かれ、まだ見ぬ母を探し不思議な世界を進んでいく。
しかし、行く道は母の悲しみによって崩れかけていた。
これは「とつきとおか」の記憶になる前の物語。
Creator
監督・脚本
土海明日香
1989年山形県生まれ。東北芸術工科大学で映像を学ぶ。
色彩豊かなビジュアル表現を特徴としたアニメーション作家、監督。
個人制作のショートフィルムがザグレブ映画祭にノミネートされるなど、国内外の映画祭で上映され評価される。
また、アニメーションチーム「騎虎」のディレクターとして、YOASOBI「海のまにまに」などのミュージックビデオを手がける。
初のオリジナル劇場短編映画として『もし、これから生まれるのなら』を作り上げた。
今を生きることの意味を、作品を通して描き続ける。
土海明日香
1989年山形県生まれ。東北芸術工科大学で映像を学ぶ。
色彩豊かなビジュアル表現を特徴としたアニメーション作家、監督。
個人制作のショートフィルムがザグレブ映画祭にノミネートされるなど、国内外の映画祭で上映され評価される。
また、アニメーションチーム「騎虎」のディレクターとして、YOASOBI「海のまにまに」などのミュージックビデオを手がける。
初のオリジナル劇場短編映画として『もし、これから生まれるのなら』を作り上げた。
今を生きることの意味を、作品を通して描き続ける。
Trailer
Cast & Staff
林咲良 松村くるみ
佐藤利奈 鵜澤正太郎
堀内賢雄
監督・脚本:土海明日香
音楽: 原摩利彦
主題歌:坂本美雨「Lullaby」(Universal Music)
作画監督:鍵山莉奈 演出:大垣愛結
美術監督:扇山秋仁 色彩設計:斉藤明子
生命プロップ・CGエフェクトアニメーション:稲葉秀樹
キャラクターCGアニメーション:スタジオななほし
撮影監督:千葉大輔 音響監督:桑原一輝
アニメーションプロデューサー:史耕
製作:大田圭二
GEMSTONE Creative Label 統括プロデューサー:栢木琢也
プロデューサー:山元哲人
製作:GEMSTONE Creative Label (TOHO CO., LTD.)
制作:騎虎
© 2026 TOHO CO.,LTD.
Interview
土海明日香監督インタビュー
「生まれる前の世界」を描くというファンタジックな設定です。なぜこの物語を、このテーマで描こうと思ったのか、制作に至ったきっかけなどを教えてください。
大学生の頃、自主制作で、今回と同じく生まれる前の子どもの話を描いたんです。それは悲しい終わり方だったのですが、子どもを持っていろいろな経験を経た今、その結末が気になって、もう一回挑戦したいと考えました。いま子どもを見ていると、自分とは違う考えを持ち、自分とは別の人間として生きている。うまく言えないんですが、そんな子どもから受ける影響はあったのかなと思います。
母親のお腹のなかにいる、生を恐れる女の子と自分の生を託す男の子の物語。手描きアニメーションにこだわっていらっしゃるとのことですが、今回の作品におけるこだわりをお聞かせください。
オリジナルなので、どう完成するかわからないところから、キャラクターを作り始めました。1枚1枚描いていく、不確かな存在を一つずつ掴み取るみたいな作業が好きなんです。試行錯誤しながら手で描いたものを、いろいろな工程を経て、デジタルに変換させるんですが、一枚描くにもかなり多くの方々の作業が入り、簡単ではありません。でもルックとしてスマートすぎず、手触り感のあるものを作りたくて、質感や線などもこだわって作りました。
アニメーション表現がとても美しいのですが、アニメーションだからこそ描くことができた映像表現、色彩やキャラクターの動きなどを教えてください。
おかあさんの胎内の世界を、ファンタジーで表すところから挑戦でした。特にこだわったのは、序盤に出てくる胎内で輝きながら揺れる草をファンタジーならではの空気が動く感じに描いたり、細胞をイメージしたふわふわしたキャラクターをたくさん登場させたところ。ちょっと質感を出したいところは、通常の作り方とは違うフローで制作しました。
どんなやり方をされたのでしょう?
通常のアニメーションですと、一枚一枚描くわけですが、それだと表現できる質感が限られるので、Mohoというキーフレームで動かすソフトがあるのですが、それが得意なスタジオにお願いして、通常のアニメではあまり見ない形で制作しました。
表現で気に入っているところ、また苦労されたところはありますか?
挑戦できてよかったなと思うのは、揺れる草のルックです。挑戦的なルックを目指すということで、素材の種類がかなり多くなってしまい、管理的にもルック的にもまとめる作業はだいぶ苦労しました。
生まれる前の主人公たちを、女の子と男の子にしたのはなぜですか?
生まれる前なので、本来は不確かな要素が多いのですが、見る方が感情移入するためには、ある程度確定した要素があったほうがいいんじゃないかと、企画段階で男女2人を登場させました。でも女の子、男の子というより、その子の個性を描いたつもりです。
アニメーション作家でインスパイアされた、またはお好きな方がいたら、その作品や理由とともに教えてください。
自分がアニメーションを作り始めるきっかけとなったのは、ロシアのアニメーション作家、ユーリ・ノルシュテインです。なかでも『霧の中のハリネズミ』という作品が本当に好きで、心の師匠だと思っています。
絵の柔らかさなど、近いものを感じます。
質感とか雰囲気は、かなり影響を受けていると思います。今回の映画で、へその緒を大きな木に見立てて描いていますが、その木は『霧の中のハリネズミ』の中に登場する木からインスピレーションをもらっています。
坂本美雨さんの歌唱、原摩利彦さんの劇伴など、『国宝』コンビが奏でられた音楽も非常に豪華でした。そのうえ胸にスッと入ってくる心地よさもある曲でしたが、音楽はどのようにオーダーをされたのでしょうか?
原さんと坂本さんで制作された、日曜美術館のメインテーマ〈under our olive tree〉が本当に素晴らしくて、主題歌についてはその曲をイメージしつつ、柔らかい雰囲気のものをお願いしました。依頼にあたっては、Vコンテ(ビデオコンテ)を作り、そこに効果音やBGMを仮で入れてお渡しし、展開や方向性をお伝えしました。無茶ぶりもいろいろ聞いていただいて恐縮しています(笑)。
短編としてこだわった演出や、逆に苦労して削ぎ落とした要素があれば教えてください。
生まれるという壮大なテーマを短い尺に収めたのが、苦労した点です。私が母親になったこともあって、最初のコンテは母親側の視点が多かったのですが、そこを削って、映画を見ていただくみなさんに主人公の女の子リア、男の子イデアを応援してもらえるようなコンテを目指しました。
山形にお住まいだそうですが、作家活動におけるSNSやインターネットの活用方法を教えてください。監督のウェブサイトも素敵なポートフォリオになっていますね。
私がフリーランスで活動し始めたのはコロナ禍で、オンラインの仕事が増えてきたあたりでした。オンラインが当たり前みたいな環境で仕事をしてきて、今回の映画もDiscord(コミュニケーションアプリ)をメインにやり取りしました。映画制作は対面じゃないと難しいと思われるかもしれませんが、決してそのようなことはないと感じています。海外を含め、どんな場所でも時間でもやり取りできて、ポジティブに捉えています。
国内外の映画祭にも出品されていますものね。そんな新時代の才能が集まるGEMNIBUS。参加されていかがでしたか?
プロデューサーの山元哲人さんと企画を練っていくときに寄り添って考えていただけて、すごくありがたかったです。
どんな方に見ていただけるといいなと思っていますか?
私は暗い人間なんですが(笑)、今がちょっと幸せだと思えない人たちに寄り添えたらいいなと思います。初のオリジナル劇場作品で、本当に多くの方に助けていただき、思いを込めた作品なので、何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。