Content
ソニックビート
Introduction
本作は、TOHOシネマズ学生映画祭にてグランプリを受賞した、2001年生まれの新鋭・関駿太(24)による初の商業映画作品である。
卒業制作『ボウルミーツガール』は、日本大学芸術学部長賞をはじめ、下北沢映画祭準グランプリ、札幌国際短編映画祭国内最優秀賞など、国内の映画祭で数々の賞を受賞してきた。いま最も注目を集める若手監督のひとりである関が、満を持して商業映画デビューを果たす。
本作は、監督が初の商業作品に挑む自身の姿を主人公に重ねて描いた、等身大の青春ストーリーである。
主演を務めるのは、本作が劇場用映画初主演となる西垣匠。さらに、映画初出演となる山﨑天(櫻坂46)、戸塚純貴を迎え、日本エンターテインメント界を担うフレッシュな才能たちが、まっすぐにスクリーンを駆け抜ける。
Story
陸上競技大会100m走予選のスタートラインに立った高校陸上部員のイサオ(西垣匠)は、極度のプレッシャーから精神世界に閉じ込められてしまう。真っ暗な空間には、怪しい作業員とイサオの記憶を映し出すテレビデオ。陸上部イチ足が速いアキ先輩(山﨑天)や、幼いころに出会ったさすらいの旅人リキ(戸塚純貴)との思い出が、走馬灯のように駆け巡る。イサオは過去の記憶と向き合い、走り出すことができるのか——。
Creator
監督・脚本
関駿太
新潟県新潟市生まれ。2024年、日本大学芸術学部 映画学科を卒業。 同年、卒業制作として監督・脚本を務めた短編映画『ボウルミーツガール』を発表。同作で、TOHOシネマズ学生映画祭 ショートフィルム部門グランプリ、GEMSTONE賞を受賞。
関駿太
新潟県新潟市生まれ。2024年、日本大学芸術学部 映画学科を卒業。 同年、卒業制作として監督・脚本を務めた短編映画『ボウルミーツガール』を発表。同作で、TOHOシネマズ学生映画祭 ショートフィルム部門グランプリ、GEMSTONE賞を受賞。
Trailer
Cast & Staff
西垣匠 山﨑天(櫻坂46) 戸塚純貴
監督・脚本:関駿太
音楽:PAS TASTA
( hirihiri Kabanagu phritz quoree ウ山あまね yuigot )
製作:大田圭二
GEMSTONE Creative Label 統括プロデューサー:栢木琢也
プロデューサー:橋本理央 ハンサングン
撮影:田島茂 照明:山田和弥 特機:佐川敬一
録音・整音・音響効果:横山大資 美術:杉崎匠平 編集:古谷大地
スタイリスト:前田勇弥 ヘアメイク:金山貴成
VFXスーパーバイザー:菅原悦史
助監督:志筑司 制作担当:篠田知典
ラインプロデューサー:桐山優衣 音楽プロデューサー:有馬由衣
制作プロダクション:P.I.C.S. 製作:GEMSTONE Creative Label
© 2025 TOHO CO., LTD.
Interview
関駿太監督インタビュー
卒業制作の短編『ボウルミーツガール』で、日本大学芸術学部長賞をはじめ、下北沢映画祭準グランプリ、札幌国際短編映画祭国内最優秀賞など国内の映画祭で数々の賞を受賞。TOHOシネマズ学生映画祭ではショートフィルム部門グランプリとGEMSTONE賞をW受賞し、GEMSTONE Creative Labelで作品制作の権利を得て、『ソニックビート』で満を持しての商業映画デビューとなりました。
GEMSTONE で作品制作権利をもらい、統括の栢木琢也さんとプロデューサーの橋本理央さんと短編を撮れることになりました。脚本、企画、監督なので、何度も打ち合わせを重ね、何本も企画をつぶしながら、作り上げていきました。
陸上競技大会100m走予選のスタートラインに立った高校陸上部員イサオ(西垣匠)のプレッシャーをエンターテインメントとして描いた『ソニックビート』。怪しい作業員がいる自分の扁桃体の中にある精神世界に閉じ込められたイサオが、さまざまな記憶と向き合い、走り出すまでがロックに綴られます。
僕は、中学時代、陸上部で短距離をやっていて、100mのスタート前はいつも逃げたくて、ヤレヤレと思っていたんです。それをプロデューサーさんたちが面白がってくれた。最初はスポ根にする話もありましたが、単なるスポーツものにはしたくなかった。なにせ僕が選ばれたポイントは“アイデア”なので。ショックを受けて非日常に飛んだ先が脳内世界で、イサオがプレッシャーを跳ねのけるきっかけが車にまつわる記憶という形で着地していきました。
逃走先は扁桃体、記憶メディアをビデオテープにするアイデアはどんなふうに思いついたのでしょう?
脳内とは、自分の思考内なので自由なようで縛られています。僕は考えてばかりいる性分で、怖くなって先に進めなくなるんです。小学生のときは土曜の午後には月曜日のことを考えて嫌な気分になっていて(笑)。恐怖や不安を処理する扁桃体との戦いはそこと繋がっています。ビデオテープは最後のVHS世代の僕が、実家で『ジュラシックパーク』、『スター・ウォーズ』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんかを観ていた媒体。ときにノイズが走って内容が見られないこともある不確かさにも愛着があって(笑)、なくなりつつある物理メディアによって過去を思い出すという構図にしました。
テーマとなったプレッシャーには、学生映画祭でグランプリを取った記憶なども加味されているんでしょうか?
GEMNIBUSに選ばれるきっかけになった『ボウルミーツガール』は、大学の卒業制作で、それまではジメッとした、ちょっと暗い映画を撮ることが多かった僕が、エンタメに振り切った作品でした。この作品はそんな自分へのアンチテーゼでもあります。それを評価していただいて今につながったので、『ソニックビート』にはエンタメに対しての重圧もあるんです(笑)。
あくまでエンターテインメントにしたのは?
映画館で観たとき一番気持ちのいい映画にしたいと、プロデューサーさんやスタッフさんと共有していたので。走るだけで楽しいし、車が大きくうなるだけで嬉しい。その感情は『ソニックビート』に欠けちゃいけないポイントだし、映画を観る喜びを伝えるのにもぴったりだなと。
『ソニックビート』というタイトルに込めた意味は?
タイトルは、キャッチーでバカバカしいものにしたいなと。速さを競う陸上ものだから、ソニック=音速。仮題でつけていた日本語タイトルは『最も速く走った男』だったのですが、勝負には負けてもプレッシャーを乗り越えた一歩は音より速いという意味でつけました。ソニックという響きも格好いいし(笑)。
ビートは、卒業制作の裏テーマがロックンロールだったのですが、その次の作品には何が必要かを考えて、それはビートだろうと(笑)。緊張したときの心臓のビートともリンクするし、ピッチとストライドのピッチ的な意味でもある。オアシスが帰ってくるので、『スーパーソニック』とかいろいろアイデアはありました(笑)。音楽をお願いしたPAS TASTAのエンディングソングもすごくいいんですよ。
イサオ役の西垣匠さんが走る姿など、スクリーンを通して肉体的な要素も物語ります。脚本を考えられるときに、身体的に見せる演出プランも既にあったのでしょうか?
映画はもう一度、身体表現に帰るべきじゃないかという思いがありまして。僕は、バスター・キートンが好きなんですが、彼がただ走る姿を観るだけで至福ですよね。イデオロギーだけでは伝わらない部分を、生理的に見せたかった。カメラマンにお願いして、できるだけフィルム時代の技法で撮ってもらったのもその流れです。構造に対する美意識にはすごく気を使いました。
西垣匠さん、山﨑天さん、戸塚純貴さんの存在感が効果的でした。3人をキャスティングされた経緯を教えてください。
西垣匠さんは、プロデューサーさんからのご提案です。GEMSTONEプロジェクト初期に制作された「チェンジ」という栢木さんプロデュースのYouTube映画も拝見し、幅のある演技ができる俳優さん、この方とぶつかるとどうなるんだろうと好奇心を持ち、お願いしました。山﨑天さんは、アキ先輩をどう描くか話したときに、プロデューサーの橋本さんから見せていただいた櫻坂46のMVの山﨑さんが、アキの優しさも、冷たさも、不穏さも持つ立体感のあるキャラクターにぴったりだなと思い、お願いしました。何が起こるかわからない感じも面白く、結果、想像の何倍も面白いコラボレーションになったと思います。戸塚純貴さんの演じたリキは、シナリオの中で変動し続けていて、それゆえキャスティングできずにいました。ラインプロデューサーの桐山優衣さんから、「戸塚さんはどうですか?」と言われ、「戸塚さんだ!」とエンタメの部分を背負っていただきました。戸塚さんにお願いしたいと思った瞬間にリキのキャラが固まったように思います。撮影は1日でしたが、プロの俳優さんとはこういうことかと見せてもらいました。
この作品をどんな方に届けたいなと思いますか。
重圧につぶされそうになっている若者に! 観て、体が動くままに楽観的に生きようと思ってもらえたらうれしいです。辛いと思う理由が、何に由来するのかわからない重圧の人にも届いてほしい。走り出すのは気持ちいいし、体が欲するものを否定しちゃいけないと思います。